黒い糸で紡ぐある家族の刺繡
更新日:2023年10月7日
新しい本が完成しました。
わたしの単独の著書としては9冊目の本です。
これまで数冊本を出させていただき、本への想いや出してきた数や内容のこと
本という媒体の特性についてなど考えることも増えました。
その中で、今作りたいもの。本という形で残したいもの。
今のわたしだからできること。やりたいこと。たくさんの想いに、時にワクワク
時に押し潰されそうになりながら、なんとか形にすることができました。
今回のテーマは2つ
・普段は気に留めないような会話や仕草、記憶
・黒という色と、同じ色でも異なる種類の糸での表現
前書きにも書いたのですが、記憶って、意外とあいまいで、人によって覚えている
ポイントが違ったりするのが、わたしにはとても心地いいのです。
それがいつの間にか自分だけの宝物になっていたりして。
そんなことがわたしの制作のヒントになっていることは間違いなくて、それを
楽しく形にできたらなっというのがひとつ。
もうひとつは、黒というフラットな色であり線で、物語を紡ぎたいという想いです。
色は、いつもわたしを助けてくれました。あまり絵が得意ではないけれど、
糸の質感や刺繍糸の持つ色が、ペンや絵の具で描く絵とは違う何かにしてくれました。
これまで『あなたの選ぶ色が好き』っと言ってくださった方を残念がらせてしまう
という心配もあったので、色をあえて封印するのは、ちょっと勇気のいることでしたが
一度はやってみたいことでもあり、挑戦するなら今なんだとお告げのようなものを
感じました。
そして、これはいつも大切にしたいと思っていることなのですが、この本を見る方に
たくさんの想像・妄想ができる余白を残したいということ。
この本を見て、しばらく会っていない誰かを思い出したり、昔の自分に再会したり
何かこころが動くページがあったら嬉しいです。
『黒い糸で紡ぐある家族の刺繡』文化出版局 (10/27発売)
*発売日は、地域やお店によって異なります。
ブックデザイン:葉田いづみさん
撮影:安田如水さん
編集:田中薫さん
以前から、デザインをお願いしてみたかった葉田さんと初めてのお仕事がこの本で
よかったなぁっと思っています。撮影時に、やたらと盛りだくさんにしたがるわたしを
優しく、でもビシッといなしてくれたり、とにかく安心感の塊のような方で
わたしの意図を汲んでくださり、素敵に仕上げてくださいました。
今回で、ご一緒するのが4冊目となる田中さん、安田さんもわたしの暴走は嗜めつつ、
それでもできるだけわたしがやりたいように、できるようにとあらゆる点で最善を
尽くしてくださいました。
初めての試み、わたしの小さな友達にも協力してもらいました。
以前から、彼の絵がとても好きで、今回のテーマにぴったりだから絵を提供してもらえない
かと打診したところ、快諾してくれ、今回のために新しく描きおろしてくれました。
彼の絵が加わったことで、より厚みがあるものになったと思います。
ARATAありがとう。
他にも、タイトルで悩んだり、途中煮詰まった時に相談にのってくれた友人たち、
たくさんの方のおかげで完成しました。関わってくださったみなさん、本当に
いつもありがとうございます。
これから、わたしの新しい大切な本を抱えて、巡回展が始まります。
ぜひ、実際の本と、作品を間近でご覧になってください。
<広島蔦屋書店 (広島)
2023/10/04(wed) - 11/13 (mon)
*こちらはフェアという形でキットや新刊、ototoitoの紹介をしてくださいます。
作品展示・販売はありません
ワークショップ:2023/11/11(sat),12(sun)
<メリーゴーランド (京都)
2023/10/28 (sat) ~ 11/08(wed) 10:00-18:00 (木曜定休日)
ワークショップ:2023/10/29(sun)
<森岡書店(東京)
2023/11/21 (tue) - 11/26 (sun) 13:00-19:00
ワークショップ:2023/11/19(sun)
*アトリエ・マジョレルでの開催(展示とは別会場です)
<tonari (名古屋)
2023/12/09 (sat) - 12/17 (sun) 13:00-19:00 (火・水曜定休日)
ワークショップ:2023/12/08(fri)
<artos Book Store (島根)
2024/01/06 (sat) - 01/14 (sun) 11:00-19:00
ワークショップ:2024/01/07(sun)
*各会場での在廊予定や、ワークショップの予定などについては、順次更新します。
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